ショーシャンクの食卓に#9 – 滲みでる味を信じる

きのう、朝ごはんに面片(メンピィエン)という中華料理を作った。ひらたくい言うと、中華風のひっつみのこと。これじゃ岩手の人にしかわかんないか。すいとんのことです。作るのはとても簡単で、レシピ本に目を通すと、小麦粉をねって生地を寝かせておいたら、あとはスープを作り、生地をちぎって放り込み、溶き卵をまわし入れるとある。このスープもまた至極シンプル。ネギを炒め、水を加え、鶏ガラスープの素と醤油で調味する。

…ちょっと待て。うちにはスープの素なんてないぞ。てことは、ちゃんと鶏ガラからスープを取らなきゃいけない手間のかかる料理だったか? いや、そんなことはない。なかったら使わなきゃいいじゃん。できるできる。

いつ頃からか、スープの素、コンソメといった類のものを使わなくなった。必要なくなったらだ。そう言っちゃ身も蓋もないのでもう少し説明すると、まず出汁を引くことなんて難しいことは一つもない。昆布や煮干なら、あらかじめ水に放り込んでおく。お湯を沸かす過程は、だしの素を使う場合だって同じなんだから、「使えば楽チン」という考えは成り立たない。だし入り味噌も、普通のお味噌に比べて楽なことなんてこれっぽっちもない。具沢山のお味噌汁なら、さまざまな食材から風味が滲み出るから、乾物は不要なことさえある。それは洋風のスープでも同様。油やバターを使っていればコクも出る。

で、話は面片に戻る。スープ作りの始めにネギを炒める。ネギというのはなかなかにたいしたお野菜で、薬味として沢山の場面で活躍する香味を持ち、加熱するとなんともやさしい甘みが滲み出てくる。そのネギの力を信じてみる。ネギがクタクタになったら、お醤油を加えて鍋肌に焦げつけるようにして炒め続け、香ばしい香りが立ち上がってきたら水を入れて一煮立ちさせる。丁寧に作られたまっすぐなお醤油には大豆の旨味が詰まっているし、少し焦がしたことで香味も増す。お醤油の力も信じてみる。こうして出来上がったスープの味を見る。うん、十分じゃないか。残念ながら卵を切らしていたのだけれど、もし溶き卵が入っていたら、よりコクと旨味のある仕上がりになってたことだろうと思う。それでもこれは簡単でおいしくていいね!と、朝ごはんのアイディアがまた一つ増えて嬉しい食卓。

信頼に足る食材と調味料があったら、あとはそれらを信じてみる。それで十分な成果が得られたら、それに越したことはないじゃないかと思う。

《井上古式じょうゆ》
900ml https://shoico.thebase.in/items/8625806/widget
360ml https://shoico.thebase.in/items/8625826/widget

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中