料理家の舞台

玲奈は「料理家」を名乗っている。「料理研究家」と自称することに、少しおこがましさを感じているのかもしれない。料理家と料理研究家を隔てているものが何かと云えば、それぞれに厳密な定義があるわけではなく、玲奈自身もくっきり線引きしているわけではないと思う。なんにしても、料理を生業として生きると決めた人間の一人であることに間違いはない。

盛岡に移り住んだことを機に、フリーランスの料理人という道を選択したのが7年前。名刺代わりにと “四季のひとさじ” を始め、食卓提案の場として “四季の食卓” を設けた(現在休止中)。ここまで、活動の場は自宅。そうなると、私生活と仕事の間の線は料理家と料理研究家の間のそれよりさらに曖昧で、プロの現場としては非常に申し訳ない環境での仕事が続いてきた。

6月に背負子のキッチンを改装した。まだ施工が中途半端なところが多々あり、徐々に手を入れていかなければならない。それに狭くて暑い。お世辞にも立派な厨房とは言い難い。それでも、玲奈が腕をふるう…とまではいかないかもしれないけれど、仕事のうちのいくつかこなせるだけの場所を自宅以外にも作れたことには、幾ばくかの安堵感がある。

背負子で喫茶を始めた目的は、店の業績をなんとか向上させたいのが、まず一つ。もう一つは、私生活とはきっちりけじめのついた、彼女の技術と知識、アイディアが生かされ、彼女自身が活躍する舞台を作ること。

改装工事の第一段階が終わって、喫茶を始め、少しずつではあるけど、店を訪れてくださる方々に玲奈の仕事をお楽しみいただけるようになった。“季節野菜とハーブのトースト” や “イートンメス” は、定番にしていこうと話しているので常にメニューに名を連ねることになるが、その姿は季節や年月とともに変わっていくだろう。同じ演目ながらも、旬の役者達(食材)を舞台にあげ、彼らの個性に合わせた演出を玲奈が四季折々に施していくことで、文字通り常に新鮮な印象を与えていくだろう。願わくば、ロングラン公演となってほしいものだ。

“四季の食卓” は、これまでとは違った形での再開を予定しています。しばしお待ちを。

背負子 店主

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