初の企画展を終えて – 『隗より始まる漆の器』後記

はたして、こんな小さなお店の小さなスペースで、企画展というものが成立するのだろうかという不安は、期間中も消えることはなかった。結局は身の丈にあったことしかできないにしても、集まった器たちに恥ずかしい思いはさせたくなかった。自分なりにやれることはやったと思っていても、お客様の目にどう映るかは別な話だ。

売り上げは当初目標をクリアした。猪狩さんご夫妻による集客努力や、NHKによるご取材などのおかげもあって、初めて背負子に足を運んでくださったお客様も、少なからずいらした。そういった意味では、成功と言えるのかもしれない。ただし、それは前述のご尽力があってのことであり、また目標が妥当であったかという視点を欠いてのことであって、僕に、背負子により大きな信頼がありさえすれば、もっと猪狩さんの仕事に相応しい成果が上げられたのではないかという感は否めない。

それでも、ご来店くださった方々が、数ある器を真剣に吟味されたり、実際に器を用いたお食事をお試しくださる姿を拝見するのは、とても幸せな時間だった。猪狩さんの仕事に惚れ、それを背負子にとって不可欠なパーツと見做して扱ってきた思いを、肯定し、抱擁してもらえたような気がした。

「いやいや抱いたつもりはない」と気味悪がられるかもしれませんが、つまりはそのくらい、ご利用くださった皆様には深く感謝しています。

背負子で漆の器と過ごしたひとときが、良い思い出として記憶されますように。

嫁いだ器たちが、それぞれの食卓に欠かせぬ生活の一部となりますように。

最後に、企画をご快諾くださった猪狩史幸さん、体調がすぐれないなか陰日向に企画を見守り支えてくださった猪狩真理子さん、企画用の写真撮影のために遠方から駆けつけてくださった梅田直子さんへ、あらためてお礼申し上げます。皆さんのご尽力に応えるためにも、より信頼ある、存在意義のある店を目指します。またみんなでご飯食べようね!


撮影:梅田直子

背負子 店主

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